歯冠修復

A. 耐久性のある修復

1. 2015年4月の歯科保険診療規則の改定で, アマルガムの使用は廃止されました. それに代わる硬質レジン: Composite Resin充填が【審美修復】であると, 推奨されています. しかし, それは耐摩耗性に劣る脆い材質ですから, 術後5年経過すると, 症例(★F1)に見る通り, 咬合高径が低下し, 咬合が崩壊して, その後の診療は, 7.0mm以上の咬合挙上と, その後の成人咬合矯正治療を必要とするため, 世界的に咬合を知らない矯正歯科指導医レベルでは, 治療は絶対困難です.

2. アマルガム充填は, ADA(アメリカ歯科医師会)雑誌1990年4月号に【アマルガムの安全性】(★F2)が「過去150年の歴史的な事実に照らして証明されている」と報じられています. しかるに, 国内の硬質レジン・メーカーは, 有機水銀の悪影響にあやかり, アマルガムに含まれている無機水銀も有害であるかのように騒ぎ立てて, アマルガム充填剤を市場から排除することに成功しました. その結果は, 先の臨床例(★F1)に見る通り, 悲惨な将来が待ち受けています.

3. 歯と同じ色調のCAD/CAM Crownは, 「審美修復法」として, 数年前に小臼歯部に保険適用されましたが, 2017年12月には大臼歯部にも採用されました. CAD/CAM Crownは, 日本歯科理工学会の報道によると, その精度は120〜130μm(★F3 )で, 最近一番加工精度の優れたCAD/CAMでも, 80μmと言われ, JIS規格のセメント被膜厚さが最大20μmで, 私が利用している咬合検査用品の厚さは, 8μm(★F4)ですから, 「桁違い」の精度の悪さです.

4. その上, CAD/CAMやCeramic を使用しているレベルの歯科医は, 1人として, 患者の下顎運動(★F5)を測定しておらず, 患者固有のデータを利用しておらず(★F6), 患者の咬合を無視した One Patternの平坦な咬合面を備えた「審美修復」に満足しています.
5. それらには, 歯のエナメル質を咬耗させる性質があるため, 年月が経つと, 咬合崩壊を引き起こして, 将来, 患者はより一層困難な状態に陥ります. これも, 歯科業界の金儲けに貢献する有効な選択です. 彼らは誰一人, 術後10年, 20年が無事に経過した全顎歯冠修復例を提示でいません(★F7 ).

6. 歯列(:歯並び)は口腔内の内側と外側から圧力を受け, 釣り合って均衡した位置(:中立空隙:Neutral Zone)に安定するため, 内側から歯列を支える舌房:Oral Cavity(★F8)の大きさ, すなわち, 舌房の体積は咬合高径によって決まりますから, 咬合の安定を求める際には, 咬合高径は極めて大切です.

7. 私は1989年から, 多数歯を患い, 咬合崩壊した症例を修復する際には, 個々の患者の下顎運動を測定検査(★F5)して, 下顎関節の亜脱臼を整復し, 適切な咬合高径を回復して(★F9),「歯軋り」の原因であるISSをゼロにする成人咬合矯正治療(★F10) を1〜2年間程度かけて実施しています.

8. 咬合矯正して, ISSをゼロにすると, 【歯軋り】が無くなり, Wide Centric Occlusionと呼ぶ下顎の遊びが無くなるため, Point Centric Occlusionと呼ばれる鋭利で歯切れの良い歯冠形態が回復します.(★F11)

9. 歯冠修復法は, 咬合処方された咬合器上で, 普通のWax Curving法ではなく, Wax Cone法(★F12)で, 18K白金加金(★F13)で鋳造し, 硬化熱処理してエナメル質と同じ硬さで製作しますから, 臼歯部咬合面の形は, 立体的で鋭利な歯切れの良い形になり, 咬合干渉がないため, 術後20年, 30年が経過しても, 形は摩耗していません(★F14=下西, 利津子).

B. 歯冠修復の効率化

10. 私は1991年以来, ISSをゼロにして, Wax Cone法で上下顎の28歯を一気に製作していますから, それらを常識的に行われている「仮着・リマウント・咬合調整」を一切することなく, 無調整で一度に合着完了できています(★F15=P.68下, 71上, 73,102,★F16). この方法は, 私の所以外に, 世界中の歯学部や開業歯科医師では, 現在, どこにも採用されていません.

11. 勿論, 世界中では1) 咬合高径を10mm高めていませんから, 臼歯部の歯冠長は3mmと短く, 2) ISS=0にもしていませんから,「歯軋り」も放置されたままですから, 3) 臼歯部咬合面は平坦で歯切れの悪い形をしています(★24).
それは, 岩田健男先生の論文(★F17-1,2,3,4,5,6,7)にある臼歯部の形で明らかな証拠が認められます. その違いを私の臨床例で確認してください(★F18-1,2,3,4
=MM).

12. 岩田先生は渋谷の国際デンタル・アカデミーの副所長をされていた先生です. その論文には, CeramicやCAD/CAMなどの白い瀬戸物の歯は耐久性が乏しく(★F19-1=小宮山,2=耐久性), 咬み合わさる歯のエナメル質を破壊して(★F20=P.98), 咬合崩壊を引き起こすため, 「医療倫理に違反する」(★F21)とあります. 欧米の歯科では, 使うのは俳優などの特別の場合に限られています.

13. ISS=0にした結果, 3次元6自由度の下顎運動測定法:Pantograph Tracing(★F22=Stuart Pantograph, ★F23=Denar Pantograph)は必要が無くなり, 2次元2自由度のQuick Pantograph Tracing法(★F24=P.43の左上)で下顎運動を十分観察できることが明らかになりました.

13. その結果, 歯科医師が3時間を要していたのが, 歯科衛生士が15分間でできるようになりました. 技工室でも, 歯科技工士が1時間費やしていたベネット板の削合調整などの咬合器調整が, 1分以内で咬合処方できるようになりました(★F25=4種類の板).

14. 1人1人の下顎運動を測定したデータに基づいて、歯切れの良い鋭い咬合面を製作しています。また、硬化熱処理した白金加金を使用していますので、耐久性にも優れた歯冠の修復ができます。術式は、1989年から順次誘導咬合様式を採用しています。この術式により、咬合器上で製作したものが、まったくそのままの形で口腔内に装着できます。今までに400症例を実施しましたが、咀嚼効率の向上と診療時間を短縮などの満足な結果が得られています。

15. 完了するまでの期間、または、通院回数

  • 虫歯などの治療が終わっている場合には,
  • 1. 歯の形を整えて形成し、仮歯を製作するのに1回
  • 2. その後、歯肉軟組織が整うのを1週間以上待ち、印象採得するのに1回
  • 3 .3〜7日後にセットするのに1回
  • 4. その2日後に咬合などの確認に1回

合計4回の通院で完了します。